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03/09/2005

アマデウス

うちのダンナさまは長尺の映画は苦手です。
例外は『タイタニック』と『アルマゲドン』くらいでしょうか。
うちのダンナさまは文芸映画も苦手です。
最後に感動で泣ける映画でない限りほとんど受け付けません。

そんなダンナさまをだまくらかして、『アマデウス』を観せてみました。それもディレクターズ・カット版180分の方を。(笑)

そしたらなんと、意外にも感動してました。
良い映画は嫌いなジャンルをも越えるのでしょう。

 本編の感想

物語はアントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)が自殺を図るところから始まります。一命を取りとめた彼が病院を訪れた神父に懺悔をし、過去を回想する形で物語が進行します。

サリエリは努力の人でした。音楽の道を進むことに関して、家族はいい顔をしてくれませんし、もちろん金銭的な援助も得られません。でも彼は神を熱心に信仰し、素晴らしい音楽を作ることで神に仕えていました。そして宮廷作曲家の地位まで登りつめたのです。

そんな彼の前に現れたのがモーツァルト(トム・ハルス)。
サリエリは彼の生み出す美しいメロディに神の声を聞いた気がしました。そして「どんな奴だろう」と会ってみると、これがとんでもなく奔放で女にだらしなく、神への信仰心などカケラもないような人物だったのです。
サリエリは神を呪います。「なぜ神の声の代弁者に、あのような下品なものを選ばれたのか?」と。

それからサリエリは策略を巡らし、自分の地位を利用して、モーツァルトが認められないように、そして彼の心身が衰弱するようにと仕向けるのでした。

この映画を観る人でモーツァルトに感情移入する人は少ないんじゃないかなぁと思いました。もちろん、「気の毒だなぁ」とか思ったりはしますが、全面的にモーツァルトを支持しながら観られる人はやはりモーツァルトと等しく「天才」肌の人なんじゃないかなぁと思うのです。

むしろ感情移入しやすいのがサリエリ。(つっきーだけだったらどうしよう/笑)
彼の妬みや嫉妬の感情はストレートに伝わってきます。自分が人の何倍も努力して得たものを、「なんでこんな奴が?」と思うような人間が簡単に手に入れるのを見たら、羨ましいなんて通り越して妬ましく思うのが人間だと思うから。もちろんそれは人間の弱さでもあるわけですが・・・。

この映画の中ではいわゆる「悪役」のサリエリですが、つっきーは彼がいとおしくてたまりませんでした。
ことごとくモーツァルトの邪魔をするサリエリ、でもモーツァルトの音楽の素晴らしさを理解する能力を神から与えられているゆえに(これも残酷だと思うのですよ、神様)、彼が新作のオペラを発表するたびにこっそり聴きに行ったりして・・・。

もし自分と同じフィールドに立つ人たちの中に、突然「天才」が現れたら?
その時、自分の中に生まれる感情はどんなものだろう?やっぱり嫉妬、妬み、恨めしさ・・・。自分の心の弱さを鏡で見せつけられるような映画でした。

ちなみにサントラが素晴らしく良いです。まさにモーツァルト・ベストというかモーツァルト・入門編というか、持っていて損はないと思います。

最後にアントニオ・サリエリは実在の人物です。彼は実際、「モーツァルト殺し」の噂を立てられてもいます。が、あくまで映画はフィクションですので、サリエリを悪く言わないであげてくださいね。

トラックバックいたしました!
レイのブログ 『アマデウス/ディレクターズカット版』
sailor's tale 『アマデウス』

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Comments

とてもいい記事だなーと思い、ブログに引用させていただきました。もしお気に召さなかったら言ってくださいね。

こんな風に僕もアマデウスについて書きたかったんです。素晴しいと思います。どうやら映画お好きのようですね◎チェックしておきます~

Posted by: so | 05/27/2005 at 10:37 PM

>soさま
ブログの方にはうかがったのですが、こちらへのレス・コメントが遅くなりまして申し訳ありません。

soさんのブログにこのようなつたない文章を引用していただきまして、本当にありがとうございました。
映画はジャンルを問わずに好きで、新作から旧作までいろんなものを観てとりとめなく感想を書いております。

これからもお暇なときは、どうぞお立ち寄りくださいませ。
お待ち申し上げておりますね。

Posted by: つっきー | 05/30/2005 at 11:29 AM

この映画のモーツァルト音楽を聞いて、私がモーツァルトオタクになった記念すべき作品です!
この映画の主人公はサリエリ。
彼の悲劇は当時誰にも認められかったモーツァルトの天才さを見抜いてしまう才能に尽きますよね。
当時は流行曲を作り皇帝にも認めてもらえたのに、彼が望んだ後世に残る作品が作れなかった・・・
彼も別の意味で天才なんだと思います。

私は天才ではありませんが(汗)、この映画を観た時、モーツァルトに感情移入してしまいました。
これは音楽の力だと思うのすが、「これほどの才能があるのに不遇過ぎる!」と思ってしまいました。
ですが後世に残る曲を作りました。

いずれにせよ才能があるのは羨ましいことですが、才能があるが故に疲れてしまう側面もありますよね。

私の記事は本当に「映画記事」とは呼べないシロモノ(大汗)で、一言感想みたいな記事なんですが、二つTBを送らせて頂きますね。

Posted by: Ray | 07/10/2005 at 12:27 PM

ども ぶちょうです
この映画学生時代に見ました。
それも音楽の授業の中で・・全編・後編2回にわけて。。

もうだいぶまえの出来事ですが・・この記事を読んで、思い出しました。このころから映画や映像にはまりだしたのかもしれません・・

Posted by: ぶちょう | 07/11/2005 at 04:31 AM

>Rayさま
コメントとトラックバック、ありがとうございます。

モーツァルトオタクになりましたか。
でもその気持ち、すごくわかりますよ~。
冒頭に流れる曲(交響曲25番)のインパクトの強さ、この映画で使用されるまであまり有名な曲ではなかったのに・・・。

サリエリがモーツァルトの楽譜を見て驚愕するシーン、コピーではなくオリジナルなのに書き直している部分が一つもない、楽譜に書く前に彼の頭の中で音楽が完成しているという突出した才能に打ちのめされていましたね。

病床のモーツァルトに代わって、楽譜を書くサリエリ。モーツァルトのスピードについていけません。(苦笑)

他にもモーツァルトがいかに天才だったか、サリエリの目を通してガンガン伝わってきますからね。
それに加えて、あの悲しい死に様。共同墓地に埋葬されてしまうんですものね。
モーツァルトの不遇ぶりに感情移入して観てしまうのもうなずけます。

でもやはり主人公はサリエリなんですよね。
彼の存在がモーツァルトの天才ぶりをより強調し、モーツァルトの報われない寂しい生涯を浮き彫りにしてくれています。

モーツァルトの生涯を描いただけの作品では、これほどの感動はなかったと思うし、「天才」と「その才能を妬む秀才」という構図は秀逸でした。本当にいい映画でした。

Posted by: つっきー | 07/11/2005 at 05:25 AM

>ぶちょうさま
音楽の授業でこの映画を鑑賞ですか。
いい学校ですねぇ。
確かにこの映画を観れば、モーツァルトの音楽の良いところばかりを堪能できる上に、彼の不遇の人生も勉強できますからね。
一石二鳥です。
でも先生、ラクしてますよね、見せるだけで教えるよりもはるかに効率がいいんですもん。

余談ですが、うちの学校の西洋史の授業で『薔薇の名前』(’86年作 ジャン・ジャック・アノー監督 ショーン・コネリー主演)を見せていたらしいです。
私はその授業をとっていなかったので、観てませんが。あ、映画そのものは観てます。授業では観てないって意味です。ハイ。

Posted by: つっきー | 07/13/2005 at 04:35 AM

3時間にも及ぶディレクターズ・カット版。その重厚で取っつきにくそうな見た目にもかかわらず、実に見やすく分かりやすい、いい映画だったと思います。
宣伝では「死にまつわるミステリー」といった部分が強調されていたイメージがありますが、「死」にまつわる部分はあまりはっきりとは描かれていませんでしたね。まぁ実在の人物ではありますし、物語の本質でもありませんからこれでいいのでしょう。
サリエリもモーツァルトを殺したかった訳ではありませんからね。神の力を横取りして、神を見返してやりたかっただけで。

Posted by: starless | 10/10/2005 at 01:00 PM

>starlessさま
トラックバックとコメント、ありがとうございます。

長尺の割には観やすい作品だと私も思いました。
初めて観たのはWOWOWだったと思うのですが、「つらくなったら途中でやめよう」と思っていたのが、すっかり引き込まれ、あっという間の2時間30分でした。
ディレクターズカットの3時間も全然、苦になりません。(笑)

サリエリがモーツァルトへの嫉妬と崇拝の中でもがき苦しむ姿に、私は心を鷲掴みにされました。
神様はときに本当に酷なことをなさる・・・、そう思わずにはいられません。
この映画が多くの人の心を捉えたとするなら、それは「モーツァルトとサリエリ」の関係が、あらゆる分野に今も昔も普遍的に多く存在するからではないでしょうか。

Posted by: つっきー | 10/12/2005 at 05:35 PM

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